自然素材を活用してヒトや環境に優しい特性を持つ土・ウッド系舗装について、特徴やメリット・デメリット、用途などを紹介しています。層の構成がわかる断面図や施工事例の写真も合わせて、ご覧ください。
自然の土や砂などを素材として結合材と混合させたものが土系舗装材。自然を活かすような施設でも、土のままの路面だと土埃や雨天時の水溜まり・泥といった利用者の妨げになるような要素を防止するため、土に近い舗装材が必要になるというわけです。
結合材はメーカーや製品によってそれぞれで、セメントやアスファルト、樹脂類などあり、それが舗装材としての特性にも影響します。
ウッドチップやウッドファイバーをバインダで固めた舗装材。木質材料は間伐材や剪定枝、廃木材といったリサイクルでこそ活かさせるもので、バインダはウレタンやアクリルなどの樹脂もあればアスファルト系乳剤などを使ったものもあります。
土系舗装材は一般的にクッション性や透水性に優れ、路面温度の上昇を抑えるといった製品となっています。見た目は土の舗装に近い製品もあり、日光の杉並木で使われている舗装材もあるほど。神社仏閣なども同様で、人工物感の薄い土系舗装ならマッチするでしょう。
一方、土系舗装材は耐久性を強みとする製品とはいえません。製品特性や施工品質による違いもありますが、強固な舗装材に比べるとメンテナンスは手間やコストがかかります。こうした点は土系舗装材のデメリットといえるでしょう。
ウッド系舗装は周辺も緑豊かなロケーションとなるケースも多く、雑草対策になるのが大きなメリット。防草シートを敷くことでより高い効果が見込めます。風合いや香りなど、製品によっては木質そのものの特性を活かせるものもあります。そして、遊歩道などウォーキングに適したクッション性。透水性や路面温度の上昇抑制などもメリットいえるでしょう。
一方、デメリットといえるのが劣化です。木質は自然環境の中で分解したり摩耗したりするため、きちんとしたメンテナンス体制が必要。場所によっては水分が抜けにくく、虫を集めてしまうケースも見られます。
土系:遊歩道・公園園路、広場、屋外スポーツ施設、自転車道、園内・構内道路
ウッド系:歩道、遊歩道、公園広場
土系による舗装の場合
ウッド系による舗装の場合
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天然ウッドチップを特殊ウレタン系樹脂で固めた天然ウッドチップ舗装 透水モクランドによる施工例です。遊歩道や公園、トラックの外周など、人の足にも環境にもやさしい風合いの舗装材です。
木々や植物との調和性を考慮した歩道の施工例。自然素材舗装シリーズのアートロードで、木チップや土などナチュラル素材を採用することで環境対策としても意義ある舗装となっています。
観光スポットとしても知られる日光杉並木に、土系舗装のパーフェクトクレイLを施工したケース。土埃や雨天時の泥濘化を抑止しつつ、自然な風合いを実現しています。
※このページの参照元
ECSテクノ公式サイト(https://www.ecocleansoil.jp/blog/371/ https://www.ecocleansoil.jp/blog/290/)
尾日本道路建設業協会公式サイト
(http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/tutsi.html http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/moku.html)、
エデンな暮らし公式サイト(https://e-gaiko.com/gdn/reform/irmd/)
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。