アスファルト舗装の1つで雨が降った時の車のハイドロプレーニング現象の防止や水はね、水たまり、水しぶき防ぐ効果があるものが排水性舗装です。よく似ている透水性舗装との違いや排水性舗装の特徴、施工例などをみていきましょう。
排水性舗装は、基層には水を通しにくい物質を敷き、表層には水が浸透しやすい多孔質な排水性アスファルト混合物を敷いて表層と基層の間に水を通すつくりになっています。基層にまで水を浸透させる透水性舗装とは違い、排水性舗装の場合は、基層で通した水を入って排水処理施設へ誘導しているのが特徴です。
また、雨天時に見えにくくなる区画線の視認性を向上させる効果や騒音を和らげる効果もあります。適度に摩擦がありブレーキがかかりやすいので、通常のアスファルトに比べ道路の安全性が高まります。そのため、幹線道路や高速道路はもちろん、急な減速が必要となる場所や坂、急勾配な場所で使用されることが多いです。
しかし、表層の隙間に石や草などが詰まりやすいため、排水機能が低下した場合には全面的に舗装しなおす必要があり、維持費がかかるというデメリットもあります。
引用元:世紀東急工業株式会社公式ページ(https://www.seikitokyu.co.jp/business/products/470/)
表層にポーラスアスファルト混合物を敷き、路面の雨水を排水構造物などに排水することができる舗装です。降雨時のスモーキング現象やハイドロプレーニング現象を防止して運転者の安全走行に貢献し、車のエアーポンピング音を抑制して騒音を低減する効果もあります。
ポリマー改質アスファルトH型を使用することで、耐流動性に優れた道路になっています。ポーラスアスファルト混合物に使用しているバインダは、世紀東急工業が開発した「重交通路線用AR-Wバインダ」などを採用しています。
引用元:ガーデンプラス公式ページ(https://www.garden.ne.jp/index.php?action=public_showcase_search_detail&showcase_id=17498)
愛知県の戸建ての玄関アプローチを施工した例です。アプローチの排水路が塞がってしまったため、水はけを良くしたいということで、U字溝と雨水桝を増設し、雨水がスムーズに排出されるようにしています。
U字溝に薄いが流れやすいよう勾配をつけてインターロッキング平板舗装し、コンクリート製でありながら透水性のある平版を使用することによって雨水を下へ浸透させることができ、表面に水たまりができないつくりになっています。
引用元:株式会社NIPPO公式ページ(https://www.nippo-c.co.jp/tech_info/general/SG02001_g.html)
国道171号線(京都府大山崎町)の施工事例です。パービアスといわれる排水性アスファルト舗装を施したのが手前部分、奥が密粒度舗装となっています。雨天時の水はけの違いがよくわかる事例です。景観や識別性に優れたカラーパービアスや表層部分を薄層化してローコストかつ耐久性のある舗装ができるセーフぺーブなどもあります。
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。