樹脂系結合材料に顔料や骨材などを加えてカラーリングや質感を演出する樹脂系混合物による舗装について、特徴やメリット・デメリット、用途などを紹介しています。層の構成がわかる断面図や施工事例の写真も合わせて、ご覧ください。
アクリル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂といった樹脂系結合材料に顔料などをプラスすることで着色したものが樹脂系混合物。舗装技術における結合材料はバインダと呼ばれますが、通常バインダは無色であり、カラーリングや質感による効果を出すためには、顔料や骨材などが必要となるわけです。
骨材として使用されるものは、自然石や球状のセラミック、磁器質骨材、ガラスカレットなど。これら素材のチョイスによって、透水性を持たせるのか、非透水とするのか、施工する環境に合わせた機能を持たせることができます。
樹脂系混合物の舗装部分は厚み5~10mm程度と薄く、コンクリート版やアスファルト混合物の上に施工します。
樹脂系混合物による舗装のメリットは、カラーバリエーションや表面の質感演出に関する選択肢が幅広いので、周辺環境とコーディネイトした舗装がしやすいといえるでしょう。
機能性における優位性としては、耐摩耗性や耐薬品性といった点が挙げられます。適用する場所によって骨材を使い分ければ、透水性・非透水性どちらかのスペックを強化することも可能。樹脂素材なので、一般的なコンクリートやアスファルトに比べるとクッション性があって、歩道や公園などの舗装に向いています。
アクリル・樹脂系混合物を使った舗装材のデメリットといえるのが、コストや施工期間。
コンクリートやアスファルトによる舗装の上に、薄い層としてアクリル・樹脂系混合物を使った舗装を施すことになるため、必要性や優先順位の高さが考慮しないと、舗装材としてはコスパが悪いように感じるかもしれません。
景観性や透水性が求められる場所
公園、広場、歩道、遊歩道、歩道橋、プールサイドなど
樹脂系混合物による舗装の場合
|
![]() |
自然石を使った樹脂系景観舗装材、透水アクリストーンの施工例。骨材が自然石で、無変色型ウレタン系バインダーによる舗装なので、ナチュラルな風合いが変色しにくいというメリットがあります。
山代温泉にある公園内の歩道に瓦骨材利用透水性樹脂舗装・KグランドRを使用した施工例。ベンチのウッド素材と同系色でコーディネイトされ、瓦骨材の濃淡が自然や柔らかさを感じさせます。
神奈川県にある雪見人道橋の施工例。カニや魚などのデザインモチーフは地元学生によるもので、薄層樹脂カラー舗装材を採用しています。クラックや剥離対策といった実務面での効用も見込める対処です。
※本ページの参照元
ECSテクノ公式サイト(https://www.ecocleansoil.jp/blog/290/)
日本道路建設業協会公式サイト(http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/jyusimo.html)
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。