デザイン性の高い舗装は見る人を楽しい気持ちにさせてくれることでしょう。しかし、いくらデザイン舗装ではあっても機能性は無視できません。なぜならみるだけではなく、実際に舗装の上を人が行き来することになりますので、機能・性能も無視できない部分です。
舗装材の用途や環境によって、重視すべき機能は異なります。
例えば屋外か屋内かによっても変わりますし、人が歩く場所なのか車が通るのか、あるいは舗装材の上を通過するものがない環境なのかによって、適した舗装材・重視すべき舗装材は変わります。例えば自動車が通るのであれば、高速道路なのか一般道なのかによっても異なりますし、人が通る場所だとしても、若年層なのか、あるいは高齢者が多いかによっても異なります。
このように、使用する舗装材を決める際には、用途も考慮しておく必要があります。
どのような場所に於いても無視できないのが防滑性、つまりは滑りやすさです。
滑り抵抗値BPN、市べり抵抗係数(CSR)など滑りやすさを表す数値が規定されています。また、適切な数値はどれくらいなのかなども試験を行っています。
しかしこれらの数値は、高ければよいものではありません。高すぎると、滑りにくい、つまりは摩擦が高いので歩く際の負担が増してしまいます。
透水性や保水性はいわゆる水はけに関連するものです。
水たまりがあると歩行に支障をきたすような場所、あるいは機能性を損ねるような場所は、透水性が高い方が適しています。
耐候性とは悪天候に耐えられるかを現したものです。
そのため、屋内のように天候の影響を受けない場所であれば耐候性はさほど意識する必要はありませんが、屋外ではとても大切な性能となります。
舗装材には耐薬品性に優れているものもあります。
耐薬品性とは、薬品に対しての耐久性のことで、アルカリや酸、酸化剤や有機溶剤・塩類などに対して、ダメージ受けるなどの反応を起こしにくいことです。
これらは舗装材の上に溶剤を使用するか否かで変わります。工場や病院などのように舗装の上でなんらかの薬品を使用する場合には、耐薬品性の高い舗装材が求められます。
耐薬品性が低い舗装材の場合、溶けてしまったり膨張したり等、何らかの反応が起きてしまいます。特に樹脂系の舗装材を使用する際には耐薬品性も無視できないものです。
遮熱性が高いと、暑い季節であっても熱を遮ることで、体感温度を下げます。
屋外の競技場だけではなく、近年は温暖化の影響もあることから、公園や遊歩道などの場所でも求められつつある機能です。
クッション性・弾性が強いと歩行時の体への負担が軽減されます
福祉施設や医療施設など、高齢者や子供が多い場所で必要とされている機能です。
また、アスリートのパフォーマンス向上も見込めることから、クッション性や弾性にこだわりを持って施工される競技場もあります。
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。