施工作業の短縮化にもなりカラーリングなどデザイン的自由度が高いといったメリットがある常温塗布式舗装(カラー舗装)について、特徴やメリット・デメリット、用途などを紹介しています。層の構成がわかる断面図や施工事例の写真も合わせて、ご覧ください。
常温塗布式舗装の代表的な施工事例といえるのが、一般的な道路の白線など、道路標示。道路標示だけをイメージするとあまりカラーバリエーションはないように思うかもしれませんが、常温塗布式舗装またはカラー舗装と呼ばれるデザイン・景観系舗装材は、多種多様なカラー展開があるのです。
塗布する塗料は水性。公道だとカラーが限定されますが、公園内やアミューズメント施設、大型ショッピングセンターなどをイメージしてもらうと、導線にメリハリをつけるため、インパクトあるカラーリングやデザインの舗装を見かけることも珍しくないでしょう。
常温塗布式舗装のメリットで、最初に触れなくてはならないのが、名称からもわかるように常温で舗装ができるということ。施工作業の時間が比較的短くなります。
塗布するのは樹脂系結合材料。エポキシ樹脂やアクリル樹脂などで、カラーリングの選択肢が幅広くデザインの自由度が高いのもアドバンテージのひとつ。
機能面で見ると、遮熱機能を持つ材料をもありますし、透水性や排水性を持たせる材料などもあります。
舗装表面の質感表現では、珪砂を混ぜたり骨材をまくなどして、仕上がりの調整が可能です。
常温塗布式舗装のデメリットは、やはり樹脂系結合材料だとアスファルトやコンクリートよりは強度が劣るということ。車道など摩耗が大きくなる場所ではメンテナンス頻度が高めになるでしょう。
バスレーン、タクシー乗り場、駐車場、展示会場、公園、テーマパーク、歩道、ショッピングセンター、住宅、サービスエリア、イベント会場など
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公共機関駐車場の例。リリーフペイントHG カラー工法、カラー:013エムロード、043ゾーンイエロー、071ラインホワイトを使用。
着色常温アスファルト舗装によるデザインカラー舗装の施工例。絵柄をアスファルトに埋め込む工法で、絵柄の自由度が高く、現場では転圧するだけ、路面の仕上がりはフラットになります。
名古屋市内のUR団地で施工されたストリートプリント。
敷地内の歩道を単純にカラー舗装するだけではなく、カラーリングの切り替えによって意匠性を高めているのも目を引きます。
※本ページの参照元
ECSテクノ公式サイト(https://www.ecocleansoil.jp/blog/290/)
日本道路建設業協会公式サイト(http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/spray.html)
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。