型枠にプラスして型押しによる施工方法もあり、幅広い優位性を持つ型枠式カラー舗装について、2種類ある施工方法の特徴やメリット・デメリット、用途などを紹介しています。層の構成がわかる断面図や施工事例の写真も合わせて、ご覧ください。
型を使うカラー舗装は、型枠を使う方法(型枠式タイル舗装)と、型押しする方法(型押しコンクリート舗装、型押しアスファルト混合物系舗装)に大別することができます。
型枠式タイル舗装とは、型枠を路面に貼った状態で、アクリル樹脂などの常温カラー材料を塗布する方法。型枠は紙製で厚みは2mm前後。カラー材料を吹き付けて、固まったら枠を外します。表記からもわかるように、型枠はタイル状のパターンを形成しています。
型押しコンクリート舗装あるいは型押しアスファルト混合物系舗装とは、それぞれコンクリート、アスファルト混合物により舗装した表層を、金属製の型で押して加熱することでパターンデザインする方法。型押しする際にカラーリングを施すこともできます。
型枠式カラー舗装のメリットは多岐にわたります。
見た目の立体感は様々な景観演出が可能で、周辺環境とのトータルコーディネイトがしやすい舗装技術。現場で直接施工できますし、工期短縮にもなります。
リアルなレンガを敷き詰めるのと比較すれば軽量となり、耐候性や耐摩耗性などの性能面に優れる分、メンテナンスの手間やコストの抑制といった施工後のアドバンテージもあります。
表層に凹凸をつける舗装方法という点では、雨天時などの滑り防止にも役立っています。
反面、型枠式カラー舗装のデメリットともいえるのが表層の凹凸。凹部に堆積物が溜まりやすくなります。
歩道、歩道橋、商店街、プラットフォーム、コンコース、改札口、玄関、駐車場、プールサイド、橋脚、地下道の壁面、トンネル内壁、ダムの壁面など
※画像は型押しのイメージです。型紙の場合の溝は1mm程度です。 |
集合住宅の外構を型紙を使用したスプレーステンシル工法で施工した例です。
シリコーンアクリル系カラー舗装材、リリーフペイントSTとフィッシュスケールのステンシルペーパーを採用、舗装材をその上から吹き付けするスプレーステンシル工法によってパターンデザインを施しています。
再加熱式型押し工法によるアートフレーム(ストリートプリント)の施工例。アスファルトがレンガや自然石のような見た目に加工され、景観の調和性を高めています。
都市景観舗装シリーズのロードラックで、型枠式舗装の施工例。意匠としても仕上がりの質感としても高級感を漂わせる舗装になっていて、商業施設などのニーズにマッチします。
型枠式工法となる、ユータックオリゴマーKC工法の施工例。場所は大阪の岩松橋で、歩道の幅が広く、舗装のデザインパターンやテクスチャは統一ながら、部分的に色を切り替えにしているのがポイント。
※本ページの参照元
ECSテクノ公式サイト(https://www.ecocleansoil.jp/blog/290/)
日本道路建設業協会公式サイト(http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/katawaku.html)
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。