天然石を使うことで風合いや重厚感を漂わせつつ人工的質感の抑制にもなる自然石舗装について、特徴やメリット・デメリット、用途などを紹介しています。層の構成がわかる断面図や施工事例の写真も合わせて、ご覧ください。
自然石舗装あるいは自然石ブロック舗装と呼ばれる舗装技術。文字通り自然石を路面に舗設します。
モルタルの上に様々な形状の板石を敷き詰めていくパターンもあれば、ピンコロと呼ばれる小舗石を並べていくパターンもあり。あるいは、モルタルなしで石同士をかみ合わせていくという施工方法もあります。
石材自体は多種多様。主なものは花崗岩や安山岩、砂岩など。使用する石材の質感や色合い、表面の仕上がり具合、サイズ感などによって受ける印象は大きく変わります。
歩道や車道など一般的な場所でも目にすることはありますが、由緒ある神社の参道など、荘厳な重厚感を与えるのは、自然石舗装だからこそ可能な空間演出といえるでしょう。
天然石を活用した舗装のメリットは、なんといっても天然素材によるナチュラルな質感を活かせるという点。景観上、アスファルトやコンクリートをはじめ人工物の質感がそのまま出てしまうことが許されない場所でこそ、自然石舗装のメリットが活かされます。
素材が天然石だからといって、選択の幅が狭いというわけでもありません。石材の表面加工の仕上げ方で違いを出すことができますし、天然石の持つ色合いは同じ石であっても千差万別。まさにナチュラルな濃淡を構成してくれます。
天然石を活用した舗装材のデメリットは、アスファルトやコンクリートと比べてしまうと強度は弱いといわざるを得ません。観光地などで自然石舗装の道路を自動車が走っているケースもありますが、一般論でいえば車道で自然石舗装を採用しないのは、この強度がネックとなるからです。
また、経年劣化で板石がはがれたりすることもあります。施工時だけでなく、メンテナンスも含めて技術のしっかりした施工会社に依頼する必要があるでしょう。
景観性が重視される場所
公園、広場、歩道、遊歩道、商店街、ビル・マンションの外構、神社仏閣、観光地・景勝地など
自然石による舗装の場合
※プライマリー処理が必要になる場合があります。 |
インドネシア産の天然石であり、保水性の高い舗装材・レインボーポラストーンを使用した施工例です。雨水の急激な流出やヒートアイランド現象を抑制する働きがあります。
古代ローマの石畳をイメージさせる天然石を使用したブロック「マイアッピア」です。立体的なフォルムとアンティークなデザインがやさしい空間を演出します。
病院敷地内にある遊歩道で、リンクストーンMという天然石を使った景観舗装の施工例。緑溢れる空間で利用者が寛げるような仕上がりやソフトな質感となっています。
世田谷区のショッピングセンターの遊歩道に施されているのは、天然石のもつ風合いを生かした石畳調の舗装材・ヤフ原産業のベイブストンです。周囲の緑に溶け込んで目をなごませてくれます。
※このページの参照元
ECSテクノ公式サイト(https://www.ecocleansoil.jp/blog/290/)
日本道路建設業協会公式サイト(http://www.dohkenkyo.net/pavement/meisyo/natural.html)
前田道路公式サイト(https://ssl.maedaroad.co.jp/search/天然石舗装/)
落ち着いた石畳のアプローチ、レンガやブロックを組んだファッション性の高い歩道など、景観に合った高い意匠性を求める場合。普通の舗装では物足りない、施設や周辺の建物とデザインに統一感を持たせたいケースに。
石畳とまではいかなくとも、細かい自然石や玉砂利の風合い、歩いたときの感触を求める場合。 単純なアスファルト舗装ではなく、足元に彩りや自然のやさしさをプラスしたいというケースに。
駐車場、歩行者通路、広場、競技場など、アスファルトにカラーをプラスして色分けをしたり、文字や記号・イラストを描いたり、機能性を持った舗装をしたいという場合に。
※「デザイン 舗装材」「景観 舗装材」で2021年8月20日時点で自然検索50位までに公式サイトが表示されていた舗装材、また製品名で検索数の多い企業が展開する舗装材から、条件ごとにバリエーションの多い舗装材上位3シリーズ(洗い出しは2シリーズ)を紹介しています。